「錦屋商事も元々、メーカーだった」社長が昔から口にしているこの言葉は、私たちの経営の根底に流れています。かつて自分たちもメーカー側にいた歴史があるからこそ、作り手の皆さまの苦しみも葛藤も理解できる。この独自の立ち位置で物事を見渡し、「何が最善か」を推し量ることができるのは、錦屋商事ならではの強みだと思っています。
だからこそ、私たちは常にメーカーさまの隣に寄り添い、支え続ける立場でありたい。それが私たちの揺るぎない原点です。
父である社長は、かつては誰よりも現場に足を運び、作り手と真っ向から向き合ってきた人です。いくつになっても多くの人から相談を受け、どんな時も楽しそうに仕事をする姿は、仕事への向き合い方を、何十年と背中で語ってくれました。
錦屋商事に入り、その想いを引き継ぐこと――それは私にとってごく自然な選択であり、使命だと思っています。
『オール九州の価値を、日本、そして世界へ繋いでいく』という社長が掲げる志と、それを支えるために私が現場で積み上げる実務支援。その両輪があってこそ、錦屋商事は未来へ進んでいくことができると確信しています。
「物売り」の枠を超え、実務部分でも支える手を広げていく
私たちの最大の強みは、お取引先さまの数と、そこにある「距離の近さ」です。全国1,500社を超えるメーカーさまと深く結びつき、現在40,000 点以上の商品を取り扱わせていただいています。メーカーさまと常に接しているからこそ、切実な悩みが届くことも多く、その解決策を一緒に模索していくことが、結果として新しい事業のきっかけにも繋がっています。
コラボ商品の提案や、特産品の新たな切り口での商品化などもそのひとつです。商品に関する相談を受けた時、その悩みを具体化し「このメーカーさまなら、こんな面白いものが作れますよ」と一緒に間に入り形にしていきます。多くの企業さまとやり取りし、膨大な数の商品を見続けてきた私たちだからこそできることです。
結果、今まで結びつきのなかった企業同士がしっかりと結びつく。そのような『繋ぎ手』のような役割、こうした「結びつき」を一つでも多く増やすことが、錦屋商事だからこその価値だと思っています。
また、『繋ぎ手』としての役割以外にも、メーカーさまに寄り添った『支え手』になる実務支援にも力を入れています。弊社では、物流事業からEC 運営、商品開発、さらにはクリエイティブな制作業務まで、細分化すれば膨大な数の実務をNishikiya グループ内で完結させています。これら一つひとつの具体的なアクションこそが、メーカーさまの実務を背後から守り支える『もうひとつの手』になると確信しています。
「錦屋さんに任せているから、この部分も一緒にお願いしよう」と信頼を寄せていただける存在でありたい。生産者の皆さまの実務を支える『手』を広げ、多角的なサポートを提供していくこと。それが、共に発展していく豊かさになると信じています。

物流やITの壁を取り払い
生産者が商品づくりに専念できる環境へ
こうした商品以外の具体的な支援の必要性を痛感したのは、地方のメーカーさまの中に、素晴らしい商品を持ちながらも、人手不足やデジタル化の波に苦しんでいる方が非常に多いと感じたからです。現場では「担当者が退職してパソコン操作が分からなくなった」「手書きの伝票処理で余裕をなくしている」といった切実な声を何度も耳にしました。さらに昨今の物流費の高騰は、生産者さまの経営を深刻に圧迫している状態です。
そこで私たちが間に入り、物流の集約や配送伝票の手配など、いわば『もうひとつの手』となることで、生産者さまが本来の物づくりに専念できる環境を整えることができると考えています。メーカーさまの経営が支えられ、私たちもより質の高い商品を受け取ることができる。最終的にそのバトンは、その商品を必要としているお客さまの手へと渡っていく――。
作り手から私たち、そして使う人へと『手から手へ』想いが巡るような、温かな共存共栄の輪を広げていくこと。それこそが、次代を担う私の果たしていくべき役割だと感じています。これからも皆さまとしっかりと手を取り合い、共に汗をかきながら、錦屋商事だからこそできる『新しい卸の形』を追求していきます。
